自分が制作したゲームやアプリをイベントやショップで販売できるのでしょうか?
(いわゆる同人ゲームの制作と販売のこと)
そんな疑問に対する答えを、適当にですがインターネットで調べてみました。
結論から言うと、禁止されています。(販売はできません)
驚かずに理由を聞いてください。理由は簡単、VisualStudio を購入していないからです。
学生の方は DreamSpark や Express などで開発環境を用意していると思いますが、そこのライセンス表記にしっかりと
「商用利用禁止」「エンジニアリングなどの分野でのご自身の向上のためにご利用ください」と書かれています。
とにかくプログラムの配布にお金のやり取りが発生する以上、ライセンス一つ13万円くらいしますが
VisualStudio を購入しなければなりません。
(金額的に大学生くらいからできるようになる感じでしょうか?
このご時世、高校生はパソコンとVisualStudioの両方はそろえられないはず。)
他人のコードを一切利用せずに
あなたが、ゼロから作ったプログラムならば、このVisualStudioを購入することで販売してOKになります。
ただしゲームを作る場合、OpenGL や DirectX を利用することになると思います。
(描画用のライブラリから作る方法もありますが、現実的では無いです。)
となるとライセンスとか大丈夫なんでしょうか?勝手に売り物にして良いものか気になりますね。
Open GL や DirectX だけを利用するならば、特に問題はありません。(これらは無償で提供されています。)
調べている最中、簡単にゲームを作れる環境を提供するというライブラリの販売とサポートをしている企業サイトをいくつか見かけました。
年間数百万円の契約料とか、強気な値段設定でしたよ。(逆にSimpleDXシリーズのように、無償で提供しているサイトもあります。)
個人でサクッと3Dゲームを作るなら、物理エンジン(次フレームのオブジェクトの姿勢を計算するライブラリのこと)などは
オープンソース・ソフトウェアを利用することになるでしょう。(Bulletが有名かな?)
さらに Kinect センサを導入する場合は Open NI を使うことになると思いますし
そのカメラ情報を処理したい場合は OpenCV を使うかもしれません。
となるとですよ CUDA, TBB, Eigen, Qt, IPP などの恩恵にあやかる可能性が出てきます。
これらのライセンスを調べないと売っていいものか判断がつきません。
難しい話になるのはここからです。
そこでみなさんは、zilb, BSD, LGPL, GPL v2 などなど、ライセンスの種類がいくつもあることを知ることになります。
その中で、一つでも GPL と書かれている場合、その他のライブラリのライセンスがどうであれ GPL を適用して配布しなければなりません。
GPLとは? 売ってもいいの? という答えを探したところ、様々なサイトでホントかどうかあやしい説明をたくさん見かけましたが
最終的に「ある条件を守れば販売しても良い」と納得できる答えにたどり着きました。
情報元となった記事を次に示します。
オープンソースソフトウエアの利用状況調査/導入検討ガイドラインの公表について
その、ある条件については、上記の文章を読めばわかりますが、もっと簡単にまとめているページがありますのでご紹介します。
GPLやMITやCCなど主要ライセンスの内容と意味のまとめ
ビジネスとオープンソースライセンス
GPL のライブラリを利用する以上、GPL で配布することは避けられません。
GPLですが、販売は禁止されている訳ではないのでイベントなどで売ることは可能です。
ただし、ソースコードは容易に入手できるよう公開しなければなりませんし
改変されたものが世に出回ることを禁止してはいけません。(改変した側は、それをしていることを明記しないといけませんが)
別のサイトで亜種が無料配布されている場合、オリジナルをわざわざお金を払って買う人はいないでしょうから
オープンソースソフトウェアの販売ビジネスを成り立たせるのは難しいかな?
(セミナーを催したり、本を出して売るのはありですけど…)
では改めて、自分が制作したゲームやアプリをイベントやショップで販売できるのでしょうか?
その答えは、できます。でも VisualStudio 買ってください。
またライセンスに守られているライブラリを使用する場合は、そのライセンスに従いましょう。
GPL は販売は禁止されていませんが、ソースコードは誰でも簡単に入手できるようにしなければなりません。
以上です。
2011/05/01 最終更新